Xに連投したポストをとりあえずブログにまとめておきます。
後でポストのまとめではなくちゃんとブログに合った形式に直すかも。
カービィのエアライダーに酔い対策機能実装&酔い対策ONでなお酔う人が出てると知り、以前少し3D酔いの事を調べてた身としては興味深かったので、それについて色々ポストしていきたいと思います。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
お品書き
①3D酔いの原因と対策
②エアライダーのここが酔いやすい
③酔い対策機能の中身
④あとなんか
①3D酔いの原因と対策
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
視覚では自分が動いてるように見えるが感覚(三半規管等)では動いてないと感じてる、という視覚と感覚が不一致な状況になると酔うのが3D酔いです。
例えばこの画像のように、見えてる景色が左に流れてるのを体が回転してるからと錯覚してるが体の感覚では体は停止してる、的な。 pic.twitter.com/vaOZvKX53F
視覚で錯覚しやすい条件としては、視野内を画面が占める範囲が広い(画面が近い、画面が大きい)、目に見える動きの手がかりが画面以外に無い(部屋が暗い等)。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
なので、まず「部屋を明るくして離れて見る」のが大事。
画面の映像がある程度速く流れてると酔いやすいのですが、画面から離れれば相対的に視野内に映ってる映像の流れる速度は小さくなる=遅くなりますし、視野内を画面が占める範囲を小さくできます。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
3D酔い対策の筆頭、とにかく画面から離れてください。
そして部屋より画面が明るい状態の場合は、部屋より画面が目立たないよう部屋を明るくor画面の明るさを抑えてください(画面が暗すぎても問題ですが)。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
視覚でも自分は動いてないことがわかりやすいようにしましょう。
なんならテレビの背後は単一色の壁より何か見えてる方が酔い対策効果は上かも?
あとは月並みですが
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
・体調が良い時にプレイ
・飲酒時はやめる
・無理して続けない
・乗り物酔い止めも効く
等ですかね。
乗り物酔いは3D酔いと同類だが、感覚は動きを感じてるのに視覚は動いてなく見える不一致のケース。
そういやなんかガム噛んでると酔いが軽減する研究ある…飴ではダメらしい…。
②エアライダーのここが酔いやすい
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
まず、旋回の速度が速い。
普通に曲がってる時も速めですが、何よりプッシュ中の旋回がだいぶ速い。
そして3D酔いしやすい回転速度というのがあって、見ている画面の大きさや画面との距離次第で酔いやすい速度に該当してしまうことがあります。 pic.twitter.com/BqFz1vzk3K
テレビメーカーが推奨している視聴距離(画面と視聴者の距離)は、4Kテレビで画面の縦幅の1.5倍、フルHDテレビで縦幅の3倍となってます、近いと粗さが見える・遠すぎると高解像度が活かせないのでその中間。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
エアライダーは4Kではないので、4K推奨距離ほど近づかなくてもいいです、迫力は減りますが。
右の赤い図は旋回時映像が横に流れる速度によってどれだけ3D酔いしやすいかの図です、赤いほど酔いやすい。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
旋回で空などの遠景が横に流れてる時中央がどれくらいの速度で流れるかを基準にしてます。
1.5~2倍距離だとエアライダーはプッシュ中かなり酔いやすい速度ですが3倍距離まで離れると軽減。 pic.twitter.com/xCx0cCyxaR
(なおこの図の赤い色の分布は各論文を参考にしていますが、論文によって実験結果に少しばらつきがあるので、こんな感じかなぁと各実験結果の中間になるようにしてあります。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
あと遠景が横に流れる速度もこの図では中央基準ですが画面全体平均だと視野角の広いマリカがもう少し速くなります。)
縦幅の1.5倍は結構近めですが、27インチのモニタを机に置いた状態だとわりとあり得る距離です。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
それなりに多そうなのは縦幅の2~2.5倍くらい?
前述した通り視野内を画面が占める範囲が広いほど酔いやすいので、画面から離れるのは視野内の画面のサイズを小さくする点でも有効です。
続いての酔いやすい所。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
エアライダーでは壁にぶつかっても停止せず、向きもある程度補正してくれます。
初心者にありがちな、壁に向いたままなかなかコースに復帰できない状況も防止できる。
無駄な停止時間が減ってとてもテンポが良くなります。
ただ、3D酔いという観点だとこれも危ない。 pic.twitter.com/Qt6hTXqAaR
突然画面が高速に横に流れますが、このプレイヤーが予期しないタイミングで突然酔いやすい速度で映像が動くのがよろしくない。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
乗り物酔いで曲がる先が見えてて曲がるタイミングがわかってると酔いにくくなる現象、の逆です。
視線もつられて振られてしまいますし。
そしてエアライド以上の鬼門がシティトライアル。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
スカイアは壁のある場所や狭い通路の通過もありますが、そういう場所は3D酔いする状況が起こりやすいです。
ブレーキで停止中はプッシュ旋回の速度が更に増します、シティトライアルだとちょくちょく使う。
加えてセンカイ取る度に上がる旋回速度…。
このように、ゲームの仕様の時点で酔いやすい要素があるため、酔い対策機能を有効にしていても軽減しきれず酔う人が出てきているようです。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
プッシュしてドリフトという基本動作が3D酔い要素になってしまっている。
③酔い対策機能の中身
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
画像は酔い対策セットの3種の違い。体験会では各項目の個別設定は不可。
設定画面だと左の画面構成例に視界の広さが反映されなかったのでゲーム画面で代用してます。
画面右のバトルチャリオット(ライダーが違うのでサイズは若干違う)で見える範囲の違いを感じてください。 pic.twitter.com/Me4hBN86qM
・視界の広さ
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
視野角を広くするほど、旋回した時の景色が流れていく速度が落ちるのでオススメ。
(かなり広くするとPanini Projectionで補正しないとパースがきつく歪みが大きくなって、真ん中の流れる速度が落ちる一方端の方の流れる速度が上がるけど、酔いへの影響はわからないです)
・揺れ
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
映像酔いでの揺れの影響の研究ってゆっくりした揺れに関するものなので、1/60秒単位の高速な揺れは酔いに影響があるのかどうかわからないなぁ…。
高速な揺れがあると視線が固定しづらくはなるので、揺れをOFFにすればそれが無くなる分の効果は、ある、かも…?
・グリッドや枠線
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
画面に映る景色が速く流れるのを見て自分が動いてるんだと錯覚するのが3D酔いの原因の一つですが、グリッドや枠線はその錯覚をしづらくなるように画面上の位置が固定された線を表示します。
部屋を明るくして画面以外は動いてないのを認識させて酔いを防止するのと同様ですね。
・センターマーク
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
流れる景色の動きに影響されない何らかの表示物を見続けると酔いを抑える効果があります。
例えば、FPS等で中央に固定されてる照準に視線を固定するみたいな。
ただ…
エアライダーって基本的に道の先の方を見るんで、このセンターマークに視線を固定することはないんですよね。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
プレイしてるとマークの存在すら忘れる。
なのでFPSの照準のような効果は望めないですが、一応固定物表示ということでグリッドと同じ効果はあるかも。
④あとなんか
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
これだけ酔い対策機能付けてもなお酔う人が出るということは、根本的に酔いを防ぐにはエアライダーのゲーム仕様の方を変えるしかないんですかね…。
というか予め酔いやすい状況が起きにくいゲームを作る?
でもそれでは仕様が制限というかゲーム内容が制限されてしまうんだよなぁ~。
思いつきだけど高速に旋回する時だけ画面が狭まるとかどうだろう、VRゲームで見かけるアレ。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
酔いやすい回転速度の時に重点的に対策。高速なほど狭める。
高速に横に流れる遠景も隠す、道の先は見せる。
周囲に動かない壁紙見せつつ、UIは表示しっぱなしにして(この画像だと見えなくなってるけど)。 pic.twitter.com/nv1dIsg7yM
とりあえずプレイヤー側が採れる3D酔い対策は「部屋を明るくして離れて見る」です、とにかく距離は正義。
— かき (@u_mid) 2025年11月15日
この文言はアニメなどで光過敏性発作の防止のために注意を促す時のものですが、画面から受ける影響を減らすという意味で映像酔い・3D酔いでも有効です。